これはもう、「はまった」というより「掴まった」と言う方がぴったりくる感じ。
まいりました

剣客商売1〜5巻
剣客商売 (新潮文庫―剣客商売) 1〜5巻、一気に読み進める拙者を、もう誰も止められまいぞ。
なのである。(←ちょっと池波チックにしてみました恐れ多い事よ

時代物に目覚めた私目に、「あいよ」と手提げ袋いっぱいの文庫本を「読んだらブックオフでさ、2千円くれぇにはなるからさ」と、うっちゃっててくれた気っ風のいいのお陰さまで、新年から毎夜毎夜、江戸を彷徨う癖がついてしまった。
う〜〜〜ん、これは・・・予想だに、いや、『乳房』を読んだ時から薄々は感じていたのだけれど・・・まさか自分がチャンバラにはまるとは 思いもおよばなんだ(はい。気づいとりますだよ。口調がすっかり江戸っ子気分)

頂いた全巻16巻は肝心要の第一巻が欠けたままで、アマ村で新品を買うのは何となく悔しくて、積ん読だけの数週間だった。なので年末のブックオフで1巻目を見つけた時は(もちろん全巻棚に並んでいた。さすがは大御所)、「これで正月はキマリ」とちょっと興奮してしまった(バランス感覚として『オーデュボンの祈り』も購入いまだ開けず)

本年の読み初め?『剣客商売一』の第一印象は、低め、眠め(御神酒のせいもござろうよ)。う〜ん?
小柄で老獪・柔軟・剣豪の老人 秋山小兵衛が、どうしてもシックリとこないのだ。のっけから、40違いの下女のおはるに「手をつけてしまった・・・ふくんでおいてくれ」と告られても、ぐえとドン引きなのだ。「あるとき、豁然と女体を好むようになってな」に至っては、目を白黒なのだ。でも一巻目はイントロ。登場人物の紹介や描写、土地柄などを追って身に染みこませるで、いっぱいいっぱいで、楽しむどころじゃなかったのだろう。
それでも、乗りかかった剣客商売だから、と二巻三巻と読み進めていく。と、この食えない爺のなんともチャーミングで風雅な側面(もちろん世渡り上手な側面も)がぞろぞろ出てきて、うひょっと知らずに引き込まれてしまった。中毒になるぞよ、秋山小兵衛(「こへい」の変換は難しい

あれれ みなさんとっくに中毒者でしたか 
こいつはご無礼いたしやした

この文庫本の愉しみのひとつが、常盤新平氏の書かれる解説なのだ。(単行本ではどなたが書かれているか存ぜぬゆえ、敢えて文庫本と述べ申した。どなたかご教授くだされ・・・って、この言い回しだいじょうかぁ〜
近ごろ、課題図書のやっつけ感想文のような解説を目にすることがあり、『この人、本当に熟読してるのかしら?』と読後の感動が興ざめすることも
だったら読まなきゃいいんだけど、そこはソレ、共感して盛り上がりたいし、他のアナウンスもあるかもと欲をかくわけですよ。だから、絶対読む、そして・・・。
しかし「盆と正月には必ず『鬼平犯科帳』か『剣客商売』を読み返す」常盤新平氏の文が面白くないわけがなく、池波氏との交流も含めて伝えてくれるこの解説は、「こんだけで1冊ほしい」くらい愉しみなのだ。
で、ちょっくら常盤氏をググったら、池波正太郎を読む (潮出版社)快読解読 池波正太郎 (小学館文庫) がすでに出版されていたのでした きゃ〜〜〜お恥ずかしい(※『池波正太郎を読む』は歴史読本編修で、常盤氏著書というわけではなかったが、植草氏、金子氏、國江氏、川本氏ら、執筆者は重鎮だらけ。生原稿や鬼平、小兵衛の生イラストはお宝やね〜。それにしても見事なイラストはどなたの画?)

この江戸暮らしが一息ついたら、こちらを読んでみようかしらん
・・・と、幅が広がる、ステキな解説なのでした。

さて・・・全編ユーモラスで、グルメで、隠宅をとりまく景色は風情があり、おはるの料理や馴染みの料理屋のメニューには一々季節感が溢れ、スピーディーな場面運びは、何杯でもお代わりしちゃう美味しさなのだが・・・どこいら辺でこの世界に自分がアクセルを踏みきったかといえば、『剣客商売三 辻斬り』のなかの『老虎』だったかと思うべな。
クスッと笑える話が多い中で、『老虎』は世間知らずな愛弟子で一粒種の息子を失ってしまう老剣客の話だ。剣客だって生身の人なのだ。秋山小兵衛・大治郎親子と、子を失った山本親子がダブり、その上「どんなに恩返ししたと思っても親は親。子どもには返しきれないもんなんだよ」と言った母の言葉がなんとはなしに重なって、夜更けのせいもあったろうけど、涙がこぼれてしまった。(母とは『老虎』を語り合ってたワケではなく、母と祖母の親子の話だったのだけれど)

生きてくことが恩返し。
なんとなく、そう感じて、「子どもって無力だなぁ。結局な〜んもしてあげられない」と、小説とは方角違いにしみじみと想いがとんだりして・・・
ま、正月くらいは、そんなことも思うさね〜。


それにしても・・・
すっかりカレントとかトレンドからの隠栖・日和。
だいじょぶかぁ〜?

いま、世の中ってどうなってるんだろ?

まだタイガーマスク運動は続いているんだろうか?
(というか、定着してるといいなぁ)
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